「俺ってさー、爽やかなイケメンだから、モテるんだよね。でも、なぜかいつも一番じゃないんだ。二番手か三番手。この俺が一番じゃないなんておかしいだろ? だから、女子に好かれるように、みんなの名前を覚えて、誰にでも優しくしてるんだ。そういう努力って結構大変なんだよ。『芽衣ちゃんって呼んで』って言われたらそうしてやる。で、『俺のことも智基って呼んでいいよ』って言うとどの女も喜ぶんだ。どんな美人でもどんなブスでもな。『実織ちゃんって呼んでいいかな』って訊いたときの川口の顔ときたら! おまえに見せてやりたかったよ」
智基くんが笑い声を上げ、私は目を見開いた。何かがおかしいと気づいたけれど、疑問を伝えようとする私の唇に、智基くんがチュッとキスを落とした。
「川口がマロンを庇って死んじゃったから、葬式に行ってくるよ。せいぜい泣いて悲しんでいる演技をしてくる。マロンと離れがたいけど、仕方ないよな。俺ってみんなに優しいイケメンだから。俺が帰ってくるまでいい子で待ってろよ、俺のマロン。かわいいマロン。大好きだよ。初めて見たときから愛してる。世界で一番愛してるんだ。誰よりも、何よりも……」
再び彼のキスを受け、私の喉から「きゅぅん……」と鳴き声が漏れた。
【END】
智基くんが笑い声を上げ、私は目を見開いた。何かがおかしいと気づいたけれど、疑問を伝えようとする私の唇に、智基くんがチュッとキスを落とした。
「川口がマロンを庇って死んじゃったから、葬式に行ってくるよ。せいぜい泣いて悲しんでいる演技をしてくる。マロンと離れがたいけど、仕方ないよな。俺ってみんなに優しいイケメンだから。俺が帰ってくるまでいい子で待ってろよ、俺のマロン。かわいいマロン。大好きだよ。初めて見たときから愛してる。世界で一番愛してるんだ。誰よりも、何よりも……」
再び彼のキスを受け、私の喉から「きゅぅん……」と鳴き声が漏れた。
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