月曜日、一限目の経済史の講義中、智基くんの姿を見つけた。今日の彼は白いシャツに黒のスキニーパンツ、そしてネイビーのジャケットという大人の雰囲気のある格好だ。やっぱりカッコイイ。
「じゃあ、また」
講義後、智基くんが一緒にいた友達に手を振ってひとりになった。そのタイミングに小走りで彼に近づく。
「智基くん」
彼が振り返って私に気づいた。
「ああ、実織ちゃん。同じ経済史だった?」
「うん。あの、あのね、昨日はありがとう。マロンちゃんに会えて嬉しかった」
「こちらこそ、わざわざマロンに会いに来てくれてありがとう」
智基くんに笑顔を向けられ、昨日の楽しい気持ちを思い出して胸が高鳴る。
また会いに行きたいなんて言ったらずうずうしいかな……と思ったとき、誰かが近づいてくる気配がした。そちらに顔を向けたときには、目の前に相田さんが立っていた。
「智基くん、こんにちは! ね、なんの話してたの? マロンって何?」
相田さんが大きな目で智基くんを下から見上げた。パチパチと瞬きをして、マスカラがたっぷり塗られたまつげが上下する。
「じゃあ、また」
講義後、智基くんが一緒にいた友達に手を振ってひとりになった。そのタイミングに小走りで彼に近づく。
「智基くん」
彼が振り返って私に気づいた。
「ああ、実織ちゃん。同じ経済史だった?」
「うん。あの、あのね、昨日はありがとう。マロンちゃんに会えて嬉しかった」
「こちらこそ、わざわざマロンに会いに来てくれてありがとう」
智基くんに笑顔を向けられ、昨日の楽しい気持ちを思い出して胸が高鳴る。
また会いに行きたいなんて言ったらずうずうしいかな……と思ったとき、誰かが近づいてくる気配がした。そちらに顔を向けたときには、目の前に相田さんが立っていた。
「智基くん、こんにちは! ね、なんの話してたの? マロンって何?」
相田さんが大きな目で智基くんを下から見上げた。パチパチと瞬きをして、マスカラがたっぷり塗られたまつげが上下する。