待ちに待った日曜日。智基くんとは、彼の家のある最寄り駅で午後三時に落ち合うことになっていた。遅れないようにと早めに家を出たら、二時半に駅に着いてしまった。

 昨日、連絡先を交換したが、さすがに三十分も早く迎えに来てもらうわけにはいかない。

 時間つぶしに駅の近くをブラブラしてみる。普通列車しか停まらない駅で、改札を出ると、広い通りが線路沿いと駅の正面に延びてT字路を作っていた。人通りも車通りもなく、のんびりした郊外といった印象だ。どっちに向かうか思案し、線路沿いに北の方角へ進む。十分ほど歩くと、木々が生い茂った場所が見えてきた。かなりの敷地で、お金持ちの家なのだろうかと思いながら近づいたら、木の陰から石造りの鳥居が現れた。

 神社だったんだ。

 両側に背の高い木がそびえ立ち、木漏れ日が小石の敷かれた参道に落ちている。風が吹き抜けるさぁっという音がして木々が揺れ、木漏れ日が地面の上でチラチラと踊った。

 思わず背筋が伸びるような、神秘的で厳かな雰囲気だ。

 参拝しようかと思ったが、約束の時間に遅れるのはまずい。鳥居の前で手を合わせてお辞儀をすると、来た道を引き返した。