「ね、ね、私のこと、芽衣って呼んでくれないかな~。男子にも女子にもそう呼ばれてて」
「芽衣ちゃんか。かわいい名前だね」
「かわいいだなんて、照れちゃう。ありがと」
ふたりの会話はどこか遠くから聞こえてくる。
結局、いつもと同じ。
思うだけで何もしない。何もできない。
私は竜田揚げ定食を食べ終えると、「お先」と小さな声で言って席を立った。
きっとあのふたりは、私が食べ終えたことも、いなくなったことにも気づいていないだろう……。
「芽衣ちゃんか。かわいい名前だね」
「かわいいだなんて、照れちゃう。ありがと」
ふたりの会話はどこか遠くから聞こえてくる。
結局、いつもと同じ。
思うだけで何もしない。何もできない。
私は竜田揚げ定食を食べ終えると、「お先」と小さな声で言って席を立った。
きっとあのふたりは、私が食べ終えたことも、いなくなったことにも気づいていないだろう……。