急に話を切り替えられ、今の気持ちを問われた。確かに骨の折れる一日だった。これがこの先も続くのかと思うと、少し不安だ。だが、雷蔵が狭間世界の客を相手している間、店を閉めなくてもいいように人員を探されていたはずなのだ。店番くらいなら、何も難しくはない。
しかしながら、雷蔵の口調は、今後も狭間世界の客を相手してもらいたいと言いたげだ。
「……ん? 私って、土日の店番になるわけではないんですか?」
「え? 僕、そんなこと言ったっけ?」
「知春さんの前で、人員が不足してるって……」
「うん。僕一人だと、今日みたいに二手に分かれたくても限界があるよね? だから、手伝ってくれるアシスタントがほしかったんだ。もちろん、この先他にアルバイトが見つかれば、店番も任せようとは思うけど」
これが、時給千五百円の仕事内容だ。やっと合点がいった。雷蔵は、土日の通常営業を犠牲にしてでも、狭間世界の客を優先しているということだ。それには、雷蔵なりの理由や信念があるのだろう。
千聖は迷った。今日のように帰りが遅くなることが続けば、きっと麻唯子はよく思わない。他のアルバイトを勧めてくるだろう。運良く依頼が達成できるとも限らないし、不安も拭えない。
しかし、この仕事をやってみたいという思いが強い。何より死者の魂と触れ合うというのは、他では絶対に体験できない。彼らの思いを、現世の人間に届けられる存在になってみたい。
「……続けます。アルバイト、頑張ってみたいです」
「よかった……。それじゃあ、今日と明日はゆっくり休んでね。契約書を準備しておくから、月曜日の学校終わりにまた来てくれる? 羽根田さんは未成年だから、お母様の承諾書のサインも必要なんだ。事前に許可をとっておいてもらえると助かる」
「分かりました。あ、ここまでで大丈夫です。ありがとうございました」
「うん。今日は本当にお疲れさま」
アパートの駐輪場までやってきたところで、千聖は雷蔵と別れ、帰って行くその背中を見送る。それは夜の闇に飲み込まれていきそうで、でもなかなか消えない独特の存在感を放っていた。
しかしながら、雷蔵の口調は、今後も狭間世界の客を相手してもらいたいと言いたげだ。
「……ん? 私って、土日の店番になるわけではないんですか?」
「え? 僕、そんなこと言ったっけ?」
「知春さんの前で、人員が不足してるって……」
「うん。僕一人だと、今日みたいに二手に分かれたくても限界があるよね? だから、手伝ってくれるアシスタントがほしかったんだ。もちろん、この先他にアルバイトが見つかれば、店番も任せようとは思うけど」
これが、時給千五百円の仕事内容だ。やっと合点がいった。雷蔵は、土日の通常営業を犠牲にしてでも、狭間世界の客を優先しているということだ。それには、雷蔵なりの理由や信念があるのだろう。
千聖は迷った。今日のように帰りが遅くなることが続けば、きっと麻唯子はよく思わない。他のアルバイトを勧めてくるだろう。運良く依頼が達成できるとも限らないし、不安も拭えない。
しかし、この仕事をやってみたいという思いが強い。何より死者の魂と触れ合うというのは、他では絶対に体験できない。彼らの思いを、現世の人間に届けられる存在になってみたい。
「……続けます。アルバイト、頑張ってみたいです」
「よかった……。それじゃあ、今日と明日はゆっくり休んでね。契約書を準備しておくから、月曜日の学校終わりにまた来てくれる? 羽根田さんは未成年だから、お母様の承諾書のサインも必要なんだ。事前に許可をとっておいてもらえると助かる」
「分かりました。あ、ここまでで大丈夫です。ありがとうございました」
「うん。今日は本当にお疲れさま」
アパートの駐輪場までやってきたところで、千聖は雷蔵と別れ、帰って行くその背中を見送る。それは夜の闇に飲み込まれていきそうで、でもなかなか消えない独特の存在感を放っていた。
