「ねえ、駅前にさ、すごいアイス屋さんあるの知ってる?」
知るわけない。
そんなオシャレスポットは検索対象外だ。
僕は顔を上げて首を振った。
顔が熱い。
頭がやかんになったみたいだ。
こめかみの血管がはじけ飛びそうで、耳の奥で鼓動が響く。
彼女はじっと僕を見つめながら間合いを詰めてきた。
やばい、魂を吸い取られそうだ。
もしもキミが死神なら、この場で僕の魂を捧げたい。
ポエムが心をかき乱す。
しかし、そんな僕のときめきは一瞬で押さえつけられた。
「おごって」
え?
ああ、慰謝料ってやつか。
しょうがないか。
「いくらですか」
「一番高いやつ。スペシャルトッピングつきでね」
「で、いくら払えばいいんですか」
僕は財布を取り出した。
それで許してもらえるなら安いものだ。
学校にいられなくなるより全然マシだ。
「あのねえ……」
あきれたように西上さんがため息をつく。
「一緒に行くんでしょうよ」
一緒に?
「どこにアイスのお金だけ出させるデートがあるのよ」
デート?
さっきから僕の頭の中には疑問符しかわいてこない。
「一緒に行って、一緒に食べるんでしょ」
イッショニイッテイッショニタベル。
意味が分からない。
日本語だよね?
「何よ、日本語だよねって顔しないでよ」
なんで分かる?
「なんなら英語で言おうか。レッツ・イート・アイスクリーム・トゥゲザー」
イッショニイッテイッショニタベルとあんまり変わらない。
僕にとってはどちらも外国語みたいなもんだ。
一緒に行って一緒に食べる。
もしかして、また聞き間違いか?
「一緒に行って一緒に食べるんですか? ……僕が?」
西上さんが吹き出す。
「他に誰がいるのよ。前田君に言ってるに決まってるじゃない」
ここまで言われてもまだ信じられない。
知るわけない。
そんなオシャレスポットは検索対象外だ。
僕は顔を上げて首を振った。
顔が熱い。
頭がやかんになったみたいだ。
こめかみの血管がはじけ飛びそうで、耳の奥で鼓動が響く。
彼女はじっと僕を見つめながら間合いを詰めてきた。
やばい、魂を吸い取られそうだ。
もしもキミが死神なら、この場で僕の魂を捧げたい。
ポエムが心をかき乱す。
しかし、そんな僕のときめきは一瞬で押さえつけられた。
「おごって」
え?
ああ、慰謝料ってやつか。
しょうがないか。
「いくらですか」
「一番高いやつ。スペシャルトッピングつきでね」
「で、いくら払えばいいんですか」
僕は財布を取り出した。
それで許してもらえるなら安いものだ。
学校にいられなくなるより全然マシだ。
「あのねえ……」
あきれたように西上さんがため息をつく。
「一緒に行くんでしょうよ」
一緒に?
「どこにアイスのお金だけ出させるデートがあるのよ」
デート?
さっきから僕の頭の中には疑問符しかわいてこない。
「一緒に行って、一緒に食べるんでしょ」
イッショニイッテイッショニタベル。
意味が分からない。
日本語だよね?
「何よ、日本語だよねって顔しないでよ」
なんで分かる?
「なんなら英語で言おうか。レッツ・イート・アイスクリーム・トゥゲザー」
イッショニイッテイッショニタベルとあんまり変わらない。
僕にとってはどちらも外国語みたいなもんだ。
一緒に行って一緒に食べる。
もしかして、また聞き間違いか?
「一緒に行って一緒に食べるんですか? ……僕が?」
西上さんが吹き出す。
「他に誰がいるのよ。前田君に言ってるに決まってるじゃない」
ここまで言われてもまだ信じられない。