苦しくて苦しくて苦しくて苦しくて、言葉で表せられない気持ちが押し寄せてきて、どうして私は国語が得意じゃなかったんだろうと後悔する。

陸地に打ち上げられた魚みたいに、体中が痛くて熱くて呼吸ができなかった。

朋君に伝えられるはずもなくて、それでもひとりで抱えるには重すぎて、ただただ彼の形見となってしまったレースのハンカチに、涙を吸い込ませる毎日だった。

もしも田中瀧人さんが今も生きていたならば、私の結末をどう書いてくれたのだろうか。

きっと今の彼なら、私はこの手紙を知らずに幸福な生涯を送ったのだと、ハッピーエンドにしてくれるのかもしれない。

でも、彼はもうどこにもいない。これは現実で、私が結末を作らなければいけない。