厳しいレッスンは、何日も続いた。
あたしは、あの日の会話を思い出しながら一生懸命練習に励んだ。
あの子には、渡さない!
そんな思いで。
でも、もう体はボロボロだった。
家に帰っても食事を取らずに寝てしまうことが増えた。
ある日の夜。
あたしは突然、幻覚を見るようになった。
『キシャシャシャシャシャ・・・・・・。』
な、何?なんなの?
化け物の笑い声のような声が聞こえ、あたしは、目を開けた。
すると、そこには大きな口をした化け物が乗っていた。
声を出そうとしても何かが詰まったように声が出ない。
体は、がっちりとベッドに張り付いて動かない。
『オマエ、ウマソウダナ。』
『オビエテル。オビエテル。』
『カワイソウナコムスメダ。』
怖い。怖い。
誰か助けて・・・・・・。
「キャァァァァァァ!!」
声が出た!
「ど、どうしたの!?真生!」
「ママ・・・・・・。」
あたしは、安心しきったのか大声で泣き崩れた。
でも、あの恐怖感はいつまでも残っていた。