「おはようございます!」
あたしは、周りにいた劇団の人達に挨拶をした。
(ここでは、明るい自分でいなくちゃね!)
「おはよう真生ちゃん!」
「おはよう!」
あたしは、ニコリと微笑むとその足で楽屋へと向かう。
「あっ!真生ー!おっはよー!」
ブンブンと手を振ってあたしを見つけて駆け寄ってくる子は・・・・。
(うわぁ。来たよ。莉亜が・・・・。最悪。)
高野 莉亜。
あたしと同じ劇団に所属する同い年の17歳。
何かとあたしに寄ってくるめんどくさい奴。
「おはよう莉亜!」
あたしは、そんな奴でも挨拶を交わす。
(めんどくさいけど、付き合ってあげなくちゃね。表面上は。)
「今日、オーディションの結果発表だねー」
「だねー。自信ないな~。」
「え~!そんなことないよー!真生、演技上手かったし絶対主役になれるよー!」
「ありがとう莉亜。」
(めんどくせー。あたしの気も知らないで勝手なこと言うじゃねーよ。)
あたしは、そんなことを思いながら楽屋へと続く廊下を歩いた。