は納得し、友人が本当のことを言っているのだと確信することができた。
 そんな拷問じみた仕打ちを友人に行ったことが大人たちの知るところになると、ユストは大人たちに問いただされた。
 ユストは大人たちにこう答えた。
「ぼくは本当の事が知りたかっただけです」
 ユストにはなぜこれがいけないのかわからなかった。尻を叩くことと爪を剥がすことにどんな違いがあるのか不思議で仕方がなかった。
 それからユストは今までの優秀で模範的な子供ではなくなった。ユスト自体には何の変化もなかったが、周りは彼に対し腫物を扱うかのような態度で接するようになった。それでもまだユストの今までの行いが良かったこもあり、決定的な亀裂にはならなかった。大人たちは彼を教育し、二度とこんなことをしない様にと何度も言い聞かせ、ユストを正そうと試みた。
 だが、それは無駄に終わった。おそらく、ユストのこの性質は生まれもったものであり、変えることができない部分なのだろう。
 彼が十三歳のとき、彼の運命を決定づける事件が起こった。
 それは単なる子供たちのケンカから始まった。どちらが先に殴った殴らない、こいつが悪口を言った言わない、の単純な子供のケンカだ。
 ユストはそのケンカの仲裁に入った。そして、彼らを拷問にかけた。
 ユストは本当の事が知りたかっただけだった。本当はどちらに非があって、どちらが先に殴りかかって、どちらが先に悪口を言ったのか。そして、どちらが嘘をついているのかを知りたかった。
 ユストは二人を拷問にかけた。ユストにとってそれは単なる『お話』を聞くための手段に過ぎなかった。彼は二人の爪を剥ぎ、指を潰し、気を失うまで痛みを与え、何度も何度も問いただした。
 どちらが先に殴った。どちらが先に悪口を言った。どちらが嘘をついている。ユストは何度も何度も何度も何度も二人に問いかけた。確信が持てるまで、真実だと思えるまで、納得できるまで徹底的に話を聞いた。
「僕はただ、話を聞きたかっただけです」