「本当に、嘘はついていないんだね?」
 ユストは友人に何度も問いかけた。そのたびに友人は何度も否定した。
 だからユストは彼を信じた。きっと別に犯人がいるだろうから、と年長者たちを説得し彼を助けた。
 しかし、それは嘘だった。数日後の夜、友人が食料を盗み食いするため倉庫に忍び込んだところを見張っていた者たちに取り押さえられた。
 ユストは友人に裏切られた。それがとても悲しかった。悲しくて悲しくて仕方がなかった。
 どうして本当のことを言ってくれなかったのだろう、と悩んだ。どうして本当の気持ちを伝えてくれなかったのだろう、と嘆いた。
 だから、ユストはその友人の爪を剥いだ。本当の事が知りたくて、彼の爪を剥ぎ取った。
 それが拷問の手段の一つであるということをユストは知らなかった。彼は以前、作業をしていた大人が誤って指の爪を剥いでしまったのを見て、ああ、大人があんな風に悶絶し呻くほどに痛いんだな、と偶然それを知っただけだ。
 ユストは彼の爪を剥ぐ前に何度も何度も、どうして嘘をついたのか、と問いただした。しかし、友人ははっきりとは答えず、最後には声を荒げユストを追い払った。だから、ユストは彼の爪を剥いだのだ。
 痛みは人を正直にさせる。ユストは他の子どもたちが悪さをして大人たちに尻を鞭うたれる姿を見て、それを知っていた。
 ユストは友人の爪を剥いだ。友人は痛みに泣きわめきながら正直にすべてを話した。
 だが、一枚では済まなかった。
 ユストはこう思った。
 まだ嘘をついているのではないだろうか。本当のことを言っていないのではないか。一度嘘をついたのだから、また嘘をついているのではないか。
 だからユストは二枚目の爪を剥いだ。それでも確信が持てなかったので三枚目の爪も剥いだ。そして、手の指すべての爪を剥ぎ終えた頃、ようやくユスト