っていてくださる。そして、戦い、抗い、考え続けた先にしか真の幸福はあり得ない」
 レリナはユストの目を見つめる。ユストのその目には一点の曇りも迷いもなく、嘘のようなものは見当たらなかった。
「これからどうするかはこれから考えましょう。お手伝いしますよ」
 そう言うとユストは笑顔のままレリナに手を差し伸べる。レリナはその手をしばらくじっと見つめていたが、一度グッと目を閉じ、そして開いてからその手を取った。
 その日、一つの国の終わりが始まった。そして、それと同じ日、一人の女性の新たな人生が始まった。
「あなたの、今後の人生に祝福を」