【1-8 丘の上で】
レリナが目覚めるとそこは廃墟ではなく丘の上だった。王都から離れた場所にある丘で、そこから王都を一望できる場所にいた。
頭がぼんやりしていて自分がどんな状況なのかレリナは最初ははっきりとしなかったが、徐々に自分がどんな状態なのかはっきりとしてくる。
レリナはユストに背負われていた。レリナはユストの背で目を覚ました。
「気分はいかがですか?」
「え、あ、ご、ごめんなさい!」
レリナは慌ててユストの背から降り、自分の足で立つ。
立って、見る。その光景が目に飛び込んでくる。
王都が燃えていた。赤々と炎と煙を上げて燃えている。
「あの、あれは」
「あれは王都ですよ?」
「王都、ですか……」
レリナは燃え盛る王都を困惑した表情で見つめている。
「これが、王都……」
知らなかった。レリナは初めて王都を外から見た。外の世界など知らないレリナが初めて外に出て、その足で立っていた。
なにがどうなっているのか、どんな表情を作っていいのか、何を感じているのかレリナにはわからなかった。あまりにも短い時間で、あまりにも状況が変わってしまったことに、彼女の心がついてきていなかった。
「さて、行きましょうか」
「え? どこへ」
状況が急激に変化している。そしてまた変化する。
「もう十分役目を果たしたので」
この国の終わりの始まりは見届けた。必要なものは回収することができた。
ユストが城で回収した人間たち。あとは彼らから神器のありかを聞き出すだ
レリナが目覚めるとそこは廃墟ではなく丘の上だった。王都から離れた場所にある丘で、そこから王都を一望できる場所にいた。
頭がぼんやりしていて自分がどんな状況なのかレリナは最初ははっきりとしなかったが、徐々に自分がどんな状態なのかはっきりとしてくる。
レリナはユストに背負われていた。レリナはユストの背で目を覚ました。
「気分はいかがですか?」
「え、あ、ご、ごめんなさい!」
レリナは慌ててユストの背から降り、自分の足で立つ。
立って、見る。その光景が目に飛び込んでくる。
王都が燃えていた。赤々と炎と煙を上げて燃えている。
「あの、あれは」
「あれは王都ですよ?」
「王都、ですか……」
レリナは燃え盛る王都を困惑した表情で見つめている。
「これが、王都……」
知らなかった。レリナは初めて王都を外から見た。外の世界など知らないレリナが初めて外に出て、その足で立っていた。
なにがどうなっているのか、どんな表情を作っていいのか、何を感じているのかレリナにはわからなかった。あまりにも短い時間で、あまりにも状況が変わってしまったことに、彼女の心がついてきていなかった。
「さて、行きましょうか」
「え? どこへ」
状況が急激に変化している。そしてまた変化する。
「もう十分役目を果たしたので」
この国の終わりの始まりは見届けた。必要なものは回収することができた。
ユストが城で回収した人間たち。あとは彼らから神器のありかを聞き出すだ