化け物の視線がロマド三世の方へ向けられる。
「神は尊く偉大であり、矮小で愚かな我々人間にはそのお考えをすべて理解するなど不可能なのです。だから、もしかしたらあなたは、この国は、私には正しくは思えないが正しいのかもしれない」
化け物はロマド三世を見据えている。しかし、まだ動かない。
「これは試練です。あなたが真に神の正義にかなうのならば、きっと生きていられますよ」
そうユストは言った。ニコリと笑ってそう言った。
「な、何を訳の分からないことを」
化け物がゆっくりとロマド三世の方へと近づいていく。
「来るな! 来るんじゃない! わ、私を誰だと思っているんだ!!」
ロマド三世は化け物を追い払うように剣を振り回す。
「私はこの国の王だぞ! おい! こいつらをどうにかしろ!!」
ロマド三世は叫ぶ。だが、ユストは笑っているだけである。
「どうにでもどうぞ。この子たちを煮るなり焼くなりお好きに。あなたにはその力があるはずだ」
力。そう、このポルス王国の王には力がる。
十三神器。神の力が宿るとされる器。
「ああ、でも使えませんか。あれはどう考えても欠陥品ですからねぇ。『レプレティウスの槍』は」
レプレティウスの槍。それがポルス王国にあるとされる神器の名前である。レプレティウスとは古代の神の名前であり、その名が冠せられた槍にはレプレティウスの力が宿っているとされている。
だが、しかし、その力には代償が伴う。
「資料でしか知りませんが、あれは使い勝手が悪い。使用者がことごとくものの数秒で発狂し、暴走して周囲を巻き込んで自滅するなど、敵陣に特攻して自爆するぐらいの使い道しかない」
神器はそのそれぞれに強大な力が込められている。だが、その力を使用するには犠牲が必要である。
「神は尊く偉大であり、矮小で愚かな我々人間にはそのお考えをすべて理解するなど不可能なのです。だから、もしかしたらあなたは、この国は、私には正しくは思えないが正しいのかもしれない」
化け物はロマド三世を見据えている。しかし、まだ動かない。
「これは試練です。あなたが真に神の正義にかなうのならば、きっと生きていられますよ」
そうユストは言った。ニコリと笑ってそう言った。
「な、何を訳の分からないことを」
化け物がゆっくりとロマド三世の方へと近づいていく。
「来るな! 来るんじゃない! わ、私を誰だと思っているんだ!!」
ロマド三世は化け物を追い払うように剣を振り回す。
「私はこの国の王だぞ! おい! こいつらをどうにかしろ!!」
ロマド三世は叫ぶ。だが、ユストは笑っているだけである。
「どうにでもどうぞ。この子たちを煮るなり焼くなりお好きに。あなたにはその力があるはずだ」
力。そう、このポルス王国の王には力がる。
十三神器。神の力が宿るとされる器。
「ああ、でも使えませんか。あれはどう考えても欠陥品ですからねぇ。『レプレティウスの槍』は」
レプレティウスの槍。それがポルス王国にあるとされる神器の名前である。レプレティウスとは古代の神の名前であり、その名が冠せられた槍にはレプレティウスの力が宿っているとされている。
だが、しかし、その力には代償が伴う。
「資料でしか知りませんが、あれは使い勝手が悪い。使用者がことごとくものの数秒で発狂し、暴走して周囲を巻き込んで自滅するなど、敵陣に特攻して自爆するぐらいの使い道しかない」
神器はそのそれぞれに強大な力が込められている。だが、その力を使用するには犠牲が必要である。