愛は、再び寝て、朝起きて、ラッピングされた箱を覗いてみた。





その中には、ちゃんとマフラーが入っていた。そのマフラーには、

黒い服を着たサンタクロースとトナカイが一緒に印刷されていた。そう、コレはオーダーメイド。





愛はとても喜んだ。





「わ~!!とっても可愛いし、とってもカッコ良い!!!」





もちろん、その後、それを見た愛の母もまた、

「なんて事なの!?」と、とても驚いていた。

そう、愛の母はいつも、愛に「サンタさんなんているワケないでしょ」と言っていて、愛にも冷たく、クリスマスプレゼントを愛に

あげた事も一度もなく、それでも、「サンタさんはいて、いつか

ウチにやって来る」と信じ続けていたのだ。だから、

サンタクロースとして霧河が家にやって来た時も、他の子供達

よりも何十倍も喜んでいたし、ましてやその上、その

サンタクロースに会ったり話したり出来るなんて、まさか、夢にも

思っていなかったのだ。





愛の母は、

「不思議な事があるもんだね~」と言った。





それから、少しだけ、〝サンタクロース〟や

〝サンタクロース〟を信じている娘を馬鹿にしなくなり、少しだけ、

(考えを改めた方が良いかな?)と思ったのである。