翌朝、叶は、目が覚めた後、枕元を見てみた。枕元には、

クリスマス仕様のラッピングがされた箱があった。





「箱はちゃんと置いてあるけど・・・やっぱり、昨日の事は

夢だったのかな?」





そう思いながら、箱を開けてみた。すると、

本当に犬の人形が入っていた!!





「え!!嘘!?夢じゃなかったんだ!!ありがとう!!

〝サンタクロースパイ〟さん!!」と言った。





その直後、叶の部屋に叶の母親が入ってくる。





「叶!もう朝ご飯、出来てるわよ~!!」と

母親は言う。そこには、母親が置いていないどころか、

買ってすらない犬の人形が置いてあった。ちなみに、それは〝チワワ〟の人形だ。

そう、霧河は、小さな女の子が好きそうな種類をチョイスしていたのだ。





「お母さん!サンタさんってホントにいるんだね!!」

叶の母は、

「まさか!私も買った覚えのないモノなのに!!何で?それと、

この娘、何で今年は〝○○が欲しい〟って言わなかったんだろ?

まぁ良いわ!不思議な事が起こったけど、叶も喜んでるし!!」





もちろん、いつもなら、霧河の幼い頃に亡くなった霧河の両親と

同じく、叶の母親が、叶が寝ている最中に密かに叶の枕元に

叶の欲しいモノを置いていた。だが、今年だけは違い、

母親すらも覚えのない事なので、母親もとても驚いている。だが、叶は、霧河に言われた約束通り、

「黒い服を着たスパイのお兄さんからもらった」とまでは言っていない。