母親はかなり体調が悪かったのだろう。

 こめかみを抑え、ソファーにもたれ掛けた体を更に深くもたれさせながらそう言った。

 しかし、一度見たアニメを静かに長時間見るという行為は当時の私には少し暇だった。

 展開どころかキャラのセリフだって覚えてしまったアニメを、一人で黙々と見るのはとてもつまらない。

 そこで、私は違う遊びをしようと自分のおもちゃ箱を漁った。

 一人でできて静かな遊び。

 私はおもちゃ箱から塗りえとパズルを出して遊ぶことにした。

 どちらも最初は楽しめた。

 特に塗り絵にはかなりの時間を費やせたと思う。

 だけどそこは五歳児。

 お昼を食べ終わる頃には窓からの日差しや、同年代の子と母親との会話が聞こえてくることで私は外に出たくてたまらなくなっていた。