ミーンミン。

 ジーワジーワ。

 そうだ。

 あの時だ。

 あの八月のうざったい猛暑の日。

 ずっと前に与えられた私の部屋で、私はあいつの汗を浴びながら痛みに意識を飛ばして、私と言う人間を殺したんだった。

 ミーンミンミン。

 ポタッ、ボタボタ。

 ああ。

 思い出した。

 あれはなんとも言い難い快感だった。

 その時、私は完全なる部外者として成る程なと思った。