ポタッ。

 齢(よわい)八と少しで私は殻に篭るようになっていた。

 それしか自己防衛の方法が思いつかなかった。

 親になんて相談できなかった。

『お父さんやお母さんのせいで私は学校で無視されてるの』

 そんなの言えるはずがなかった。

 クラスで省かれ、他の家庭よりも親に愛されてない自分がこれ以上嫌われるのに耐えられそうも無かった。

 そう思ったら言えなかった。

 ポタポタッ。

 他の家庭よりも少ない、普通には全然満たない、正しいのかそうでないのかも分からない親からの小さな愛情だけが、その時の私の唯一の拠り所だった。