確かに麻由美さんの存在は傍から見たら異質でしかない。
それに、『変』だと言われる分には痛くも痒くも無かった。
だけどクラスメイト達の反応はすぐ次の日には嫌な方向へと変っていった。
「なんか今日、みんな変じゃない?」
お昼休み、いつものメンバーで踊場に向かいながら私は何気なく問いかけた。
だって変なのだ。
朝、『おはよう』と挨拶をしても『あっ』とか『うん』とか。
十分休憩に連れションに言ってもいつもなら給食や次の授業のことなんか適当に話すのに何故かみんな無言。
なにより一番感じた変化は今日半日未だ先生としか視線が合ってないということ。
今日半日、私は未だクラスメイトの誰一人とも視線が合ったことがないのだ。