それから一日私は麻由美さんを細かく観察した。

なるほど。

確かに彼女はテレビで見るそう言う人達みたいにシナシナベタベタ父に触れることはなくて、やっているのは父の話をよく聞くということだった。

なるほど。

母が麻由美さんに負けたのはこういう所なのかもしれない。

母のようになりたいか、麻由美さんのようになりたいかを自分へ問うた時、答えは考える好き等与えることも無くするりと出た。

麻由美さんのお陰で私は明るく堂々と友達と関わることが出来ていた。

だけどふと気づいてしまったのだ。

今の私は麻由美さんとは全然違うと。

彼女は母の前でも父の前でも私の前でも、恐らくは会社や友達の前でも自分の心に素直に向き合っている。