面と向かって『悪いことをしてる』と言い切ってしまった故、声が小さくなった。

「怖い……。どうだろう。確かにアナタのお母さんの物言いにはイライラするし煮え切らない昇司さんにもイライラはするし、でもだからって怖いとは思わない。私からしたら自分のやりたいことも出来ずに他人の顔色ばかり伺って小さく丸くなって生きていくほうがよっぽど怖いもの。それにアナタは私と昇司さんの関係を悪いことって言うけど私は堂々と戦ってるもの。だから悪いことだなんて思ってない。私はいつだって正々堂々と戦ってるもの」

「お待たせ。じゃあ飯にでも行くか」