「だって、私は自分の心に嘘をついていないもの。それって意外と難しくて、それを出来るって実は誇らしかったりもするの。まあ、アナタのお母さんには申し訳なくなる時だって勿論あるよ?でもね、それだって夫婦間でちゃんと絆を結んで育んで、そうやって強固なものにしてたら私なんかが入り込む余地なんてなかったもん。これでも私は一途なの。アナタのお父さん……昇司さんのことは今の会社に勤め始めた頃、もう五年以上もずっと好きだったんだから、そりゃぁ、1mmだとしても隙間があるならどんな手を使ってでも潜り込むじゃない?」