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それまでの私は学友とは適度な距離で仲良く出来ていた。
その背景では麻由美さんの存在が大きく働いていたんだと思う。
麻由美さん。
彼女はなかなかに肝の据わった女性だった。
立花家の外の人間で、世間一般にどこからどんな風に見ようとも後ろ指を差される立場であろうはずなのに、彼女は常に勝気で堂々としていた。
彼女の話題になっただけでも母は泣き崩れ、叫び、その後はただただ無の状態になった。
当時は母をそんな風にさせてしまう麻由美さんに怒りだって湧いたがそれよりも強く思ったのは『かっこいいな』だった。
私はそんな彼女に単純に憧れた。
それまで家でも学校でも他人の顔色ばかり伺ってきた私にとって彼女の振る舞いは衝撃的だった。