他のコスチュームは形のみで細かな飾りなのほとんどないのにそのコスチュームだけ、特別なのか細かな装飾が施されていたのだ。

「あ、ちょっと待って」

 アキ兄はそう言うと押入れの方へ向かい、そこから脚立を取り出すとテーブルに置いていたカメラをそこへセットした。

「さあ、お待たせ。先ずは今着ているものを脱いじゃおうか」

「はあい!」

 まだ純粋だった私はカメラの存在もアキ兄の視線もどちらも気にすることなく意気揚々と着ているものを脱いだ。

 まあ、結論から言えば別にこれと言って直接的に何かされたわけじゃない。

 ただ、着て。

 ただ、ポーズをとらされ。

 ただ、写真を撮られた。

 ただ、それだけ。

 ただ、怖かった。