「ああ、なるほど。確かにこれとか一人で着るには難しいかもしれないねぇ」

　そう言ってアキ兄が持ち上げたのは中でも着るのが難しそうなものだった。

　形としてはワンピースのような水着のような。

　だけどそれに付属されている小物が当時の私が見たことも無いものばかりだった。

「手伝ってあげるからこれを着てみる？」

「うん！」

　アキ兄の提案はいつだって私をわくわくさせるものだった。

　とにかく可愛かったのだ。

　アキ兄が『着てみる？』と提案したコスチュームは着方こそ難しそうで自ら手に取ることは無かったがとても可愛い。

　柔らかな白を基調に、私の好きな紫のレースがあしらわれていて、つけ方は分からなくとも付随する小物もふわふわの輪っかや女の子らしいリボン。

　なによりそのコスチュームに散りばめられたビーズたち。