そういえば、最近はお父さんもお母さんもあまり声を出して笑うことがなくなっていた。

「あるかもしれないけど少なくはなっていくかもねぇ。大人になると新しい出来事に出会うことが少なくなるからさ、どうしたって感動は減っていくよね。って、つまらない話はやめようか。そうだなぁ。お腹もいっぱいになってきたしちょっと楽しいことをする?」

「楽しいこと?なんだろう?」

「ふふふ」

 アキ兄は小さく笑うと立ち上がり、押入れの中から私が見たことのない立派なカメラを取り出した。

「わぁ!何するの?何するの?」

「ちょっと待ってね」

 そう言いながら、アキ兄は更に押入れの中をゴソゴソと漁りだす。