「先ずは乾杯といきたいけど……。はい。これは僕からのプレゼント」

 そう言ってアキ兄は剥き出しのままの可愛いドレスの様なものを渡してきた。

「可愛いー!あ、これ!この子と一緒だ!」

 見覚えのあるドレス。

 それはアキ兄の部屋に何体か置いてあるフィギアが着ているものと同じものだった。

「そうなんだ。せっかくのお祝いだからね、友達にそう言うの作るの得意な人がいるから頼んで作ってもらったんだ。ごめんね、僕の好みで沙綾ちゃんの好きなキャラで作ってもらってはないんだけど」

「ううん。可愛くて嬉しい!どこで着替えてくればいい?」

「ここでいいんじゃないかな。他に部屋もないし」

 まだ人を疑うなんて知らなかった私はアキ兄の言葉にその場で着替えを始めた。

 アキ兄は視線を逸らすこともなく私の着替えをじっと見つめていた。