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歩いて一分。
アキ兄と私の家は本当に近い場所にある。
あまりにも近い場所にあるから、景色も雰囲気も何もかもがそのまま。
なに一つだって変わらないで存在していた筈だった。
「わぁ!すごい!アキ兄すごい!わぁ!可愛いー!」
筈だったのに、一昨日来た時は最初に訪れた時とさして変わらないあまり綺麗とは言えなかったアキ兄の部屋が、その日はお祝いと銘打っただけあって綺麗に整理され、おまけに私に合わせるかのように紫の可愛いお花やバースデー用のバルーンで装飾されていた。
そして、テーブルの上には沢山のお菓子。
当時の私は目の前に広がるその夢のような世界を欠片だって不審に思うこともなく目を輝かせていた。