「アキ兄おはよーう!」 「やあ、沙綾ちゃん。うん。とってもよく似合ってるよ。可愛いね」 アキ兄は私を見るなり褒めてくれた。 アキ兄は一昨日会った時、私に「今日はお祝いだから髪の毛は二つに結んできてくれる?」と言った。 いつも一つ結びの私にとって両サイドから垂れる髪の毛は何だかくすぐったくて違和感もあったけど……、そっか、可愛いんだと。 「早くいこーう!」 嬉しいのに、だけど何だか恥ずかしくて、私はアキ兄の手を引っ張ってアキ兄を急かした。