そんなこんなで、アキ兄と私は前にも増して仲良くなった。
初めてアキ兄の家に遊びに言ってからすぐに、私は土曜日になる度にアキ兄の家に遊びに行くようになっていた。
父は土曜日になると毎週仕事へ出るようになっていた。
その頃から夜になると父と母が小さな声で言い争いをするようになっていた。
『また土曜日に仕事?』
『なんだよその言い方。厭味だな』
『当たり前でしょう?あなたばっかり外で好き放題。私だって早く社会復帰したいのに』
『好き放題ってなんだよ。仕事だろ?遊んでるみたいに言うなよ、胸くそ悪い』
『どーだか。まあ、少なくともお昼休みとか仕事帰りは好きにしてるじゃない。私はいつだってこの家に縛り付けられてるって言うのに』