「そうだねぇ。完璧に好きなときに、とは言い難いかなぁ。今日は午後のカリキュラムが休講になったから暇そうに見えるかもしれないけどね?いつもなら昼間は大学で勉強をして。週に四日は勉強の後にアルバイトをして。帰ったら帰ったで片付けやら準備やらでゆっくり出来るのは大体いつも日付が変ってからだ」
「そうなんだぁ」
私の相槌にアキ兄は首を傾げた。
それは幼き私があからさまに残念な声を発したからに他ならないだろう。
だがしかし、事実がっかりしたのだ。
アキ兄の答えは私が求めていたものとは正反対だった。
だって、それじゃあ私の知っている大人と変らないじゃないか。
時間や環境から制約を強いられ、その中でやりくりして自分の時間を捻出する。
違う。
私が求めていたのはもっと自由に満ちたものだ。