これはすごい。

 だって、これはそういうことだ。

 彼は自分の好きな時に。

 自分の好きなものを。

 自分の好きなように。

 アキ兄はここで全てを自由に思うがままにして過ごしているのだ。

 片付けすら自分のペースでできるのだ。

 当時の私は子供だった。

 とても子供だった。

 自他共に子供だった。

 故に彼の生活ぶりが格好良く見えた。

 憧れた。

 私も早くアキ兄のような大人になりたいと、そう強く憧れた。