意識を取り戻した時、僕は病院のベッドの上に居た。左目の視界だけが徐々に鮮明になっていった。
目を覚ました僕に気がついた医者は、僕が落ち着いてきたのを見ると、僕の右目が完全に失明したことと、僕がこれから母とは別々に暮らすことになったことを告げた。

知らない女と逃げたという父親は消息不明。
唯一残された親族である母方の祖母は僕が生まれる前に母との縁を切っていて、今は介護施設にいるため、孫を引き取り育てる事など出来ない。
僕は病院を退院後、児童養護施設に入所することとなった。

ーーーーーーーー