「お母さん……だいすきだよ…」

僕はヨロヨロと立ち上がり、母の目を真っ直ぐ見て一生懸命に微笑んだ。
しかし、僕のその行動が母の癇に障ったらしく、

「何笑ってんだよゴミがっ!」

と、母は僕に掴みかかり、落ちていた灰皿の破片を僕の右目に突き刺した。
今までに感じたことのない凄まじい激痛に、僕は僕のものとは思えないような叫び声をあげた。

「うっせえんだよ!てめえが悪いんだろ?!こんなゴミみてえな顔ぶっ潰してやるよ!なあ?!録?!」

『録』…父親のものであるその名を母は幾度となく連呼しながら、僕の右目をぐちゃぐちゃと抉っていった。

言葉では表現しきれない程の激痛に、僕は意識を失った。

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