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取調室に通された僕は、目の前に座っている警察官と目も合わせずに俯いていた。

「今回の事件、君は自首して来たそうだが…本当に君がやったということで間違い無いんだね?」

警察官が僕に尋ねた。

「はい。僕が彼女を殺しました。」

下を向いたまま淡々とした口調で答えた僕に、警察官は更に質問を被せてくる。

「そうか……。犯行動機は?彼女との間に何かトラブルがあったの?」

「いえ。有りません。…というより彼女には一切非がありません。全て僕の身勝手な犯行です。」

そう。彼女は非の打ち所がない魅力の塊のような明るくて綺麗な女性だった。
そんな彼女の命を、僕は冒涜し、奪ったのだ。

「なるほど…。それで、何で君は被害者を殺害しなければいけなかったの?理由を教えてくれる?」

警察官のその問いに、僕は短くこう答えた。


「…好きだからです…。」