予鈴が鳴り、京と僕は飼育小屋にウサギを戻した後、2人で教室へと歩いていた。

「京さん。」

「ん?」

「さっきの話だけど、俺もう今回みたいに京さんに迷惑かけたくないから…その…」

僕が言いかけた時、彼女の小さな手がポンッと僕の腕を叩いた。

「何言ってるの!全然迷惑なんかじゃないよ!あれで迷惑ならこの前の私なんて…とんだお騒がせ人間だよ。だから、そんなの気にしないで木更津も私に負けないくらい迷惑かけて…かけまくっちゃっていいんだよ?!

だって、うちらもう友達じゃん?!」

そう言って京は僕にウインクした。
僕に『友達』という存在が出来たのはこの時が保育園の時以来初めてだった。


高校1年生の春、僕は彼女と…京 璃凛と『友達』になった。


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