「警察ですか…?すぐ来て下さい……人を殺しました。」

薄暗い部屋にカーテンの隙間から微かに光が差してきた頃。僕はすぐ側に横たわる彼女の亡骸をぼんやりと見つめながら、電話越しの警察官にそう言った。

「星山町3丁目の星山アパートの205号室です…………名前…?木更津 芽来(キサラヅ ガク)。……16歳です…。」


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暫くしてインターホンが鳴り、警察官たちがやって来た。
彼らは僕の家に上がり込むと、寝室に横たわる彼女の亡骸を発見した。

「うっうええっ…」

彼女を見た途端、新人らしき若い女の警察官は両手で鼻と口を押さえつけながらドタドタと家を出ていった。
他の警察官たちも、暫くは彼女を見つめたままただぼーっと突っ立っていた。

「こ…これは……本当にお前がやったのか?」

我に帰った40代くらいの警部が振り返り、僕に尋ねた。

「はい。…僕が彼女を殺しました。」