そして1か月後、金子さんと小百合の結婚式が、郊外の教会で行われた。

私は、二人の同僚として、出席した。


「綺麗ね、花嫁さん。」

「本当に。」

綺麗に着飾った小百合を見て、周りは花が咲いたように、ウキウキしている。

小百合は、本当に綺麗だった。

金子さんの隣にいて、益々輝きを増しているように、思える。


もう少し、勇気を出せば、今金子さんの隣にいるのは、私だった?

私は、首を横に振った。

そんな訳がない。

どんな人が現れようと、金子さんが選んだのは、小百合なのだから。

今は、二人の結婚を、祝福しよう。

チャペルから出て来た金子さんと小百合に、私は盛大な拍手を送った。

「おめでとう!金子さん、小百合。」

「ありがとう。」

階段ですれ違う時に、二人は手を振ってくれた。