そんな風に、小百合は金子さんに、甘えているね。

「……小百合、私の気持ち、金子さんに教えてないの?」

「私はそんなに、親切な人間じゃないもの。」

私達は顔を見合わせて、笑い合った。


「とにかく、紀之に好きだって伝えて。それで、すっきりしてほしいの。」

「すっきりね。言う通りかもね。振られれば、すっきり片が付くものね。」

小百合は、私の手を取った。

「それよりも、雪歩の気持ち、もっと大事にして。紀之の事好きだったこと、無かった事にしちゃあ、ダメよ。」

「了解。」

すると小百合は、すっと立ち上がった。

まるで、すっきりしたように、顔に赤みが戻って来た。

「じゃあ、また明日。」

「うん。お疲れ様。」

小百合を見送って、私は目を閉じた。