翌日も、小百合は定時の際に、金子さんを迎えに来た。

「お疲れ様でした、金子さん。」

「三浦さんも、お疲れ様。」

業務上の挨拶をして、金子さんは小百合の元へ、急いで歩いて行った。


しばらくして、小百合が戻って来た。

「何?忘れ物?」

私が戻って来た小百合に話しかけると、彼女はゆっくりと、私に向かって頭を下げた。

「ごめんなさい。」

目をパチパチと瞬きをした。

私は、小百合に謝ってもらう事なんてない。

「どうしたの?急に。」

小百合は、頭を上げたけれど、顔が真っ白だった。

「……雪歩に、意地悪してた。」

「えっ?」

彼女のしていた、私への意地悪に、興味があった。


「紀之を引き離すような事して、ごめんなさい。」

私は、立ち上がった。