大学2年生の久住龍は、大学入学を機に上京して以来、アルバイトと学業を言い訳に1度も実家へ帰らずにいた。
 そんなある日、龍の実家の隣に住む莉依子が突然現れる。「3日間だけ家においてほしい」と頼み込まれ、最初は断りながらも渋々了承し、世間知らずで奔放な莉依子に振り回される龍。ときおり莉依子はまるで龍の母親を代弁するかのようにものを言い、また、龍に名を呼ばれては嬉しそうに笑うのだった。最終日には「一緒に眠りたい」と願いを明かされて、これも結局龍は渋々了承する。
 約束の3日が過ぎた朝、龍の部屋から莉依子は姿を消す。かかってきた母親からの電話で、莉依子は実家でずっと共に過ごした猫であることを思いだし、現実に起きたことなのか混乱しながらも、現実に遺された手紙と、現れた猫の姿の莉依子に感謝を告げて涙したのだった。