か、ぞ、く?
 
 今、間違いなく彼は家族って言った。
 私はこのおうちの家族になっても、いいの?

 すると、私が返事をしたと思ったのか、全く同じように彼も首を傾けて、また嬉しそうに笑った。
 彼の後ろから、お母さんの笑い声が聞こえる。

「やあねぇ龍。りいこちゃんは書けないでしょ」
「ぼくがかわりにかいてあげるの!」
「お父さんにはあげないの? 待ってるよ」
「だめ! おかあさんとおとうさんのはぼくのおりがみでつくってあげるから! これはりいこにもってかえってきたの!!」
「本当にもう……」

 お母さんはため息をついているけれど、顔は笑っている。
 とても嬉しそうだ。
 今日はお父さんもお休みだし、とてもいい日で私は嬉しい。

 彼はというと、ぷくりと小さな頬をめいっぱい膨らませてお母さんを睨んでからもう一度私へと向いた。
 またお日さまみたいに笑う。

「ねえ、りいこはなんてかこう? おねがいごと、かなうといいね」