よく見ると、水の落ちてこない空の色をしたやつには黒いうにゃうにゃした何かが書かれている。
 もうひとつの花の色と同じやつには、何も書かれていない。

 ふんっと、彼の鼻から空気の出る音がした。
 この音をさせるときは、とてもご機嫌な時だ。

 首を傾げる私ににこにこ笑い、歌うように言う。

「ここにね、おねがいごとをかくんだよ。そうするとおほしさまがそのおねがいをかなえてくれるって、せんせいにおしえてもらったの。ぼくはもうようちえんでかいたんだけどね、かぞくのみなさんにもかいてもらうといいねってせんせいいってた!
 ねえ、りいこはなんてかく?」

 そして、もう一度首を傾ける。