「………」

 そりゃ頭のどこかで予想はしていた。
 
 俺は部屋を綺麗にしている方だと思う。掃除もわりとマメにこなしている。だから間違いなく、この間まではこんなもんはなかったはずだ。
 あいつが去った後、こんな風に、まるで隠すようにあるのはあいつからの何かだって、頭ではわかっていたけど。

「……勘弁してくれよ、マジで…」

 呟いたところで受け止める人間は、この部屋に誰も居ない。