駅で会った莉依子を見た時、太陽を直視してしまったように目をすがめた事は覚えている。太陽なんて出ていなかったのに、眩しいものを見たような感覚。
次の瞬間には『なんであいつがここにいるんだよ』と、ごく普通に迎える心情になっていた。
全てが仕組まれていたと言われたらそれまでだ。
誰に、なんて考えるのはよそう。
第一、 猫が人間になって一緒に暮らしていただなんて理解しがたい。
大学の連中の誰かが同じことを言い出したりしたら、頭がおかしいとしか思えないだろう。俺だって未だに信じられない。信じる方が無理だ。
でも考えたって仕方がない。現実はこれだ。
親指と人差し指でつまんだベルト――莉依子の首輪をプラプラ揺らすと、陽の光が当たり金具がキラリと光った。眩しさに顔を顰め、思わず視線を逸らす。
「ん?」
ソファに横になったことで、視線が普段より低い。逸らした目線が、テーブルの裏側でぴたりと止まった。
「……何だ?」
這うようにテーブルの下へと腕を伸ばし、セロハンテープでくっつけられていたそれを剥がす。改めてソファに座り直すと、カサ 、という乾いた音と共にゆっくりと開いた。
そこに書かれた文字に目を走らせる。
次の瞬間には『なんであいつがここにいるんだよ』と、ごく普通に迎える心情になっていた。
全てが仕組まれていたと言われたらそれまでだ。
誰に、なんて考えるのはよそう。
第一、 猫が人間になって一緒に暮らしていただなんて理解しがたい。
大学の連中の誰かが同じことを言い出したりしたら、頭がおかしいとしか思えないだろう。俺だって未だに信じられない。信じる方が無理だ。
でも考えたって仕方がない。現実はこれだ。
親指と人差し指でつまんだベルト――莉依子の首輪をプラプラ揺らすと、陽の光が当たり金具がキラリと光った。眩しさに顔を顰め、思わず視線を逸らす。
「ん?」
ソファに横になったことで、視線が普段より低い。逸らした目線が、テーブルの裏側でぴたりと止まった。
「……何だ?」
這うようにテーブルの下へと腕を伸ばし、セロハンテープでくっつけられていたそれを剥がす。改めてソファに座り直すと、カサ 、という乾いた音と共にゆっくりと開いた。
そこに書かれた文字に目を走らせる。