次の日。

賢人は朝早く、仕事に行ってしまった。

昨日の夜も、お風呂から出た後、直ぐに寝てしまうし。

あの写真の事、捨ててしまったのなら、仕方ないけれど、せめてどんなモノがあったのか、どこに捨てたのかだけでも、教えて欲しかった。


そんな事を、ボーッと考えていると、家の時計が鳴った。

「あ、リハビリの時間。」

仕事をしていないと、時間が経つのが、早く感じる。

窓を閉めようとすると、ちょっと寒い風が入ってきた。

「もしかして、今日涼しいのかな。」

暑かったり寒かったり、今頃の季節は、寒暖の差が激しいしな。

私は部屋に行って、何か上に羽織るモノがないかと、クローゼットを開けた。

「うーん。どこにいったんだろう。」

うろ覚えで、遠い記憶を辿りながら、クローゼットの中を探した。