それから1か月後。
私は、良人に付き添い、リハビリを手伝った。
今では人工呼吸器も取れ、車イスで移動できるようになった。
「もどかしいよ。どこに行くにも、車椅子。」
良人は小さく、ため息をついた。
「私、その気持ち分かるわ。松葉杖を着いていた時は、本当にイライラしていたもの。」
自分の足なら、意識しないのに。
松葉杖だからこそ、余計どこに杖を着くか、滑らないかとか、変な気を使っていた。
「俺、歩けるようになるのかな。」
「なるわよ。私が歩けるようになったのよ?」
車椅子を押しながら、私は逐一、良人を励ましていた。
「珠姫。結婚はいつにする?」
「結婚?」
急に出た単語に、無意識に吹いてしまった。
「そんなに、急がなくてもいいんじゃない?」
「うん、でも……」
良人は私の手に、自分の手を重ねた。
「早くしないと、珠姫が遠くに行きそうな気がして。」
私は、良人に付き添い、リハビリを手伝った。
今では人工呼吸器も取れ、車イスで移動できるようになった。
「もどかしいよ。どこに行くにも、車椅子。」
良人は小さく、ため息をついた。
「私、その気持ち分かるわ。松葉杖を着いていた時は、本当にイライラしていたもの。」
自分の足なら、意識しないのに。
松葉杖だからこそ、余計どこに杖を着くか、滑らないかとか、変な気を使っていた。
「俺、歩けるようになるのかな。」
「なるわよ。私が歩けるようになったのよ?」
車椅子を押しながら、私は逐一、良人を励ましていた。
「珠姫。結婚はいつにする?」
「結婚?」
急に出た単語に、無意識に吹いてしまった。
「そんなに、急がなくてもいいんじゃない?」
「うん、でも……」
良人は私の手に、自分の手を重ねた。
「早くしないと、珠姫が遠くに行きそうな気がして。」