「言っても俺ら高2だぞ。来年は大学じゅけ……」

「今日さあ」


こいつとの会話にもついに“受験”というワードが出て来た。最悪だ。

受験だの模試だのって言葉を聞くのは学校だけで勘弁してくれ。


「今日、なに?」


話を遮られたのに、彼はそれを気にすることなく私に話の続きを促す。

私みたいな面倒くさい女にこうして付き合ってくれる彼は本当に心が広い。私が男だったらこんな女どこかに捨てていくのに。


「今日横澤とごはん行くって言ったら羨ましがられた」

「は?誰に」

「吹奏楽部の後輩。あ、っていうかそうだ聞いて!!!」


そのシチュエーションを思い出しながらそこまで言って重要なことを思い出した。


「なんか私、吹奏楽部の中で横澤と付き合っていることになっているんだけど!!?」