「~~~……」
いつもの好奇心旺盛のくせで、とんでもない状況に出くわしてしまったという後悔の念を抱いている。
「うわあああんっ ひっく、ひっ」
いつもはすごく大人っぽい、むしろクールな表情で余裕の澄まし顔しか見たことがない白崎が感情をむき出しに号泣しているのだ。
帰りたい。
しかし、自身の好奇心のせいで鉢合わせてしまった以上、彼女を放置して帰宅なんてことはできない。
昼間とは違った閑散とした自教室にて、白崎の悲痛の声が響く。
そりゃ、好きな人に振られたらこうなるよなあ。無言のまま、窓枠に寄りかかり、外の状況を確認する。
ちょうど我らが2年1組のクラスからは校門が見える。
そこには見覚えのある姿。
先ほど、ここで号泣している彼女に告白されていた色男がひとり。
……あれ、さっきの女の子どこ行ったんだろ。
説教してくって言ってたけど、まさかの放置プレイ?
結局あの南の女子も翔の連れってことは分かったけど詳しいことは意味不明だったし……
まあ他校生の侵入がバレたら面倒だから先に荷物取りにきたんだろ……と思って様子を眺めていたら横澤は躊躇なく、校門を出て帰路について行った。
えええ……
それから間もなく、
「~~~~ふくやまああああああ」
「うっるせえ!!」
先ほどの女の子の声と、翔の叫び声が屋外から教室まで響いてきた。